RAA系阻害薬
RAA系を阻害
アンジオテンシンⅡの産生や作用を抑制する
●アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
●アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
●レニン阻害薬
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)について確認したい場合はRAA系阻害薬①を参考にして下さい。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
ACEを阻害
アンジオテンシンⅡの産生を抑制
主に高血圧・心不全に使用される
■血管拡張
→血圧低下
→後負荷軽減
■アルドステロン分泌抑制
→Na+や水の再吸収抑制
→体液量低下
→前負荷軽減
■臓器保護作用
組織の炎症部位における
アンジオテンシンⅡの臓器障害を抑制
→組織の血管肥厚を抑制
心臓の心筋肥大を抑制
→臓器保護作用
■腎保護作用
→腎輸出細動脈収縮を抑制
→糸球体内圧低下
→腎への負担軽減
尿蛋白改善
◯適応(共通)
⚫︎高血圧
⚫︎慢性心不全
エナラプリル(レニベース)
リシノプリル(ロンゲス・ゼストリル)
◯禁忌(共通)
⚫︎本剤成分に対する過敏症の既往歴
⚫︎血管浮腫の既往歴
血管浮腫のリスク増加のおそれ
⚫︎アリスキレン(ラジレス)投与中の糖尿病患者
RA系阻害作用増強のおそれ
非致死性脳卒中・腎機能障害・高K血症・低血圧の
リスク増加の報告あり
⚫︎妊婦・妊娠の可能性
◯併用禁忌(共通)
⚫︎陰性荷電の吸着器によるアフェレーシス施行中
・トリプトファン固定化ポリビニルアルコール
（イムソーバTR）
・デキストラン硫酸固定化セルロース
（リポソーバー）
・ポリエチレンテレフタレート
（セルソーバ）
以下の透析膜による血液透析施行中
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸Na膜
（AN69）
血漿が陰性に荷電した吸着器や透析膜に接触
→接触の刺激でブラジニキンが産生
→ブラジニキンはキニナーゼⅡにより分解不活化
→ACE阻害薬によりキニナーゼⅡも阻害
ブラジニキンの分解が阻害され血中濃度が上昇
→ブラジキニンにより血管拡張
異常な血圧低下やショックを誘発するおそれ
⚫︎サクビトリルバルサルタンNa水和物(エンレスト)
併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制
血管浮腫のリスクを増加させるおそれ
切り替える場合は36時間投与間隔をあけること
◯副作用(共通)
⚫︎空咳
⚫︎血管浮腫
⚫︎高K血症
⚫︎味覚障害
◯使用上の注意(共通)
⚫︎腎機能低下時の用量に注意
・ほとんどのACE阻害薬は腎排泄型
腎排泄型は腎機能低下で血中濃度上昇のおそれ
・腎輸出細動脈収縮抑制で糸球体濾過量は低下
一過性な血清Cr上昇がみられることがある
⚫︎両側性腎動脈狭窄・片腎で腎動脈狭窄
治療上やむを得ない場合を除き使用は避ける
アンジオテンシンⅡで維持される糸球体ろ過圧が
ACE阻害薬で過度に低下
急速な腎機能悪化のおそれ
⚫︎高K血症
治療上やむを得ない場合を除き使用は避ける
アルドステロン分泌抑制により血清K値上昇
高K血症を悪化させるおそれ
⚫︎車の運転・機械操作・高所作業注意
血圧低下でめまいのおそれ
⚫︎手術前24時間は投与しないことが望ましい
◯妊婦・授乳婦(共通)
⚫︎妊婦は禁忌
⚫︎授乳は避けた方がよい
乳汁へ移行のため
腎排泄型
カプトプリル
●カプトプリル
(カプトリル錠・細・Rcap)
◯適応
⚫︎高血圧
◯副作用
⚫︎ネフローゼ症候群
尿の泡立ちや進行性の下肢浮腫に注意
⚫︎無顆粒球症
喉の痛み・悪寒・突然の高熱に注意
エナラプリルマレイン酸塩
●エナラプリルマレイン酸塩
(レニベース錠)
◯適応
⚫︎高血圧
⚫︎慢性心不全
◯副作用
⚫︎無顆粒球症
喉の痛み・悪寒・突然の高熱に注意
アラセプリル
●アラセプリル
(セタプリル錠)
カプトプリルのプロドラッグ
◯適応
⚫︎高血圧
◯副作用
⚫︎無顆粒球症
喉の痛み・悪寒・突然の高熱に注意
リシノプリル水和物
●リシノプリル水和物
(ロンゲス錠 ゼストリル錠)
◯適応
⚫︎高血圧
⚫︎慢性心不全
イミダプリル塩酸塩
●イミダプリル塩酸塩
(タナトリル錠)
◯適応
⚫︎高血圧
⚫︎１型糖尿病に伴う糖尿病性腎症(2.5・5mg)
⚫︎高血圧患者での誤嚥性肺炎予防(適応外)
ペリンドプリルエルブミン
●ペリンドプリルエルブミン
(コバシル錠)
◯適応
⚫︎高血圧
デラプリル塩酸塩
●デラプリル塩酸塩
(アデカット錠)
◯適応
⚫︎高血圧
胆汁・腎排泄型
テモカプリル塩酸塩
●テモカプリル塩酸塩
(エースコール錠)
胆汁排泄が多い
◯適応
⚫︎高血圧
◯副作用
⚫︎無顆粒球症
喉の痛み・悪寒・突然の高熱に注意
◯保存
⚫︎開封後は湿気を避け遮光保存
吸湿・光により色調変化や含量低下のおそれ
トランドラプリル
●トランドラプリル
(オドリック錠)
◯適応
⚫︎高血圧
ベナゼプリル塩酸塩
●ベナゼプリル塩酸塩
(チバセン錠)
◯適応
⚫︎高血圧
◯副作用
⚫︎無顆粒球症
喉の痛み・悪寒・突然の高熱に注意
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