自律神経

交感神経|交感神経の神経伝達機構・カテコールアミンの生合成・モノアミン再取り込みや分解についてのまとめ

交感神経

中枢から神経節を経て効果器に分布
効果器のアドレナリン受容体に作用し効果を発現

交感神経節前ニューロン
 AChを放出するコリン作動性神経

交感神経節後ニューロン
 NAを放出するアドレナリン作動性神経

交感神経の情報伝達機構

■合成
 交感神経終末にチロシンが取り込まれる

 チロシン
  ↓
 レボドパ
  ↓
 ドパミン
  ↓
 ノルアドレナリンNAの順に合成される

■貯蔵・分泌
 合成されたNAはシナプス小胞に貯蔵
 交感神経興奮伝達によりCa2+が流入
 交感神経終末からNAが分泌

■情報伝達
 効果器のアドレナリン受容体を刺激
 細胞内反応を起こす

■分泌抑制
 神経終末のα2受容体刺激によりNAの分泌抑制
 (負のフィードバック)

■再取込・分解
大部分のシナプス間隙のNA
 アミントランスポーターにより神経終末に再取込
 小胞モノアミントランスポーターによる取込
  →再取込されたNAは小胞に貯蔵・再利用される
 MAOによる分解
  →再取込された一部のNAはMAOに分解される
一部のシナプス間隙のNA
 COMTによる分解
  →再取込されなかった一部のNAは
   組織に存在するCOMTにより分解される

■排泄
 MAOやCOMTにより分解された代謝産物は
 尿中排泄される

※MAO:モノアミン酸化酵素
※COMT:カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ

カテコールアミンの生合成

内因性カテコールアミンの生合成過程

◆アミノ酸であるチロシンから生合成される
組織や細胞により発現酵素が異なるため
 生成・分泌されるカテコールアミンが異なる

 チロシン
  ↓   チロシン水酸化酵素
 レボドパ
  ↓   ドパ脱炭酸酵素
 ドパミン
  ↓   ドパミン-β-水酸化酵素
 ノルアドレナリン
  ↓  
 アドレナリン

中枢の黒質神経細胞
 ドパミンが最終生産物

交感神経節後線維
 ノルアドレナリンが最終生産物
 神経伝達物質として分泌
 節後神経による支配効果器のAD受容体に作用

副腎髄質細胞
 アドレナリンが最終生産物
 ホルモンとして血液中に分泌
 全身効果器のAD受容体に作用

モノアミンの再取り込み

アミントランスポーター
◆アミン類を輸送する膜蛋白質の総称
◆神経終末に存在しモノアミンの再取込に関与
◆シナプス間隙におけるモノアミン濃度の調節は
 再取り込みの寄与が高い

アミントランスポーターの種類
◆各トランスポーターは他のモノアミンを
 取り込む
能力も有する
・セロトニントランスポーター
・ドパミントランスポーター
・ノルアドレナリントランスポーター など

モノアミンの分解

MAO

モノアミン酸化酵素
(モノアミンオキシダーゼ・MAO)

◆酸化的脱アミノ反応を触媒する代謝酵素
細胞内に存在

MAO-A

◆基質
 ノルアドレナリン・アドレナリン・セロトニン
◆NA作動性神経・内分泌腺に存在

MAOA阻害薬
サフラジン(現在は臨床適応はなし)

MAO-B

◆基質
 ドパミン・ヒスタミン
◆中枢では中脳・視床下部の神経細胞に存在
◆末梢では腸管・血小板・リンパ球に存在

MAOB阻害薬
セレギリン塩酸塩(エフピーOD錠)
ラサギリンメシル酸塩(アジレクト錠)
サフィナミドメシル酸(エクフィナ錠)

COMT

カテコールアミン-O-メチルトランスフェラーゼ
(COMT)

◆カテコール骨格m-水酸基をO-メチル化する代謝酵素
◆主に細胞外で体内に広く分布
 シナプス間隙・血液・肝臓・腎臓に豊富に存在
 一部のCOMTは神経細胞内の小胞体膜にも存在する

COMT阻害薬
●エンタカポン(コムタン錠)
●オピカポン(オンジェンティス錠)

参考書籍

ポケット医薬品集

ポケット医薬品集 2023年版
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薬がみえるシリーズ

薬がみえる vol.1
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