循環器

Ca拮抗薬①|概要

Ca拮抗薬

細胞膜Ca2+チャネルを遮断
細胞へのCa2+流入を抑制する

ジヒドロピリジン系
非ジヒドロピリジン系

Ca拮抗薬の作用機序

血管平滑筋に対する作用

■末梢血管拡張作用
■冠動脈拡張作用

□Ca拮抗薬が
 細胞膜上の電位依存性L型Ca2+チャネルに結合
  ↓
 Ca2+の細胞内への流入抑制
  ↓
 細胞内Ca2+濃度低下
  ↓
 Ca2+-カルモデュリン複合体が形成がされないため
 カルモジュリンの活性化抑制
  ↓
 ミオシン軽鎖キナーゼの活性化も抑制
  ↓
 ミオシン頭部のミオシン軽鎖リン酸化も抑制
  ↓
 血管平滑筋弛緩
  ↓
 末梢血管拡張
 冠動脈拡張・攣縮抑制

心筋に対する作用

■心筋抑制作用

□Ca拮抗薬が
 心筋細胞膜の電位依存性L型Ca2+チャネルに結合
  ↓
 Ca2+の細胞内への流入抑制
  ↓
 細胞内Ca2+濃度低下
  ↓
 心筋の収縮力低下
 心筋細胞の興奮低下
 刺激伝導系の興奮低下
  洞結節の自動能低下
  房室結節の興奮伝導低下

Ca拮抗薬の薬理作用

■降圧作用
■抗狭心症作用
■抗不整脈作用

降圧作用

□血管平滑筋細胞へのCa2+流入抑制
 血管平滑筋弛緩
  ↓
 細動脈拡張
 静脈は拡張しない
  ↓
 末梢血管抵抗低下
  ↓
 血圧低下
  ↓
 降圧作用

抗狭心症作用(冠攣縮性狭心症)

□血管平滑筋細胞へのCa2+流入抑制
 血管平滑筋弛緩
  ↓
 冠動脈の攣縮予防
  ↓
 抗狭心症作用

抗狭心症作用(労作性狭心症)

□心筋細胞へのCa2+流入抑制
  ↓
 心筋収縮力低下
 刺激伝導系興奮低下で心拍数低下
  ↓
 心筋のO2需要低下
  ↓
 抗狭心症作用

抗不整脈作用

□心筋細胞へのCa2+流入抑制
  ↓
 刺激伝導系の興奮低下
  ↓
 洞結節の自動能低下
 房室結節の興奮伝導低下
  ↓
 抗不整脈作用

Ca拮抗薬の相互作用

Ca拮抗薬は主にCYP3A4で代謝される

⚫︎グレープフルーツジュース(GFJ)
 GFJにはフラノクマリン系化合物が含まれ、
 CYP3A4阻害作用がある
 併用でCa拮抗薬の代謝が抑制
 血中濃度上昇による作用増強のおそれ
 特に血圧の過度な低下に注意

Ca拮抗薬の副作用

血管平滑筋に対する副作用はDHP系に多い
心筋に対する副作用は非DHP系に多い

⚫︎血圧低下による副作用
めまい
ふらつき
動悸
頻脈

⚫︎血管拡張による副作用
顔面紅潮
頭痛
浮腫

⚫︎催不整脈作用による副作用
心不全

⚫︎心筋収縮力低下による副作用
徐脈・洞停止
房室ブロック
心室性不整脈

⚫︎その他
便秘
歯肉肥厚
肝機能障害
 など

反射性頻脈

急激な血圧低下により反射的に交感神経亢進
NA放出により頻脈となる

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