リンパ系
リンパを循環させる
リンパ・リンパ管・リンパ組織からなる
今回はリンパ組織についてのまとめです。リンパについて・リンパ系の機能や循環について確認したい場合はリンパ①を参考にして下さい。
リンパ組織
リンパ球の発生・分化・増殖・免疫応答を担う
一次リンパ組織は免疫細胞を発生・分化・成熟する
二次リンパ組織は免疫応答を行う
一次リンパ組織
リンパ球の発生・分化・成熟
リンパ小節はなくリンパ管の出入りもない
リンパ球が産生・分化・成熟し血中へと放出される
骨髄
血球を産生する造血器官
B細胞やNK細胞の分化・成熟を担う
⚫︎骨の中心部にあたる海綿質の髄腔に存在
⚫︎実質は造血幹細胞からなる
⚫︎間質は血管・細網細胞・脂肪細胞などからなる
⚫︎栄養動脈が流入し
毛細血管(類洞)を経て中心静脈へと注ぐ
造血幹細胞は骨髄系とリンパ球系に分化
リンパ球系のうち
B細胞とNK細胞は骨髄で分化・成熟
T細胞は前駆細胞が胸腺に移動し胸腺で分化・成熟
胸腺
T細胞の分化・成熟を担う
⚫︎胸腔内の胸骨の裏側で心臓の前に位置する
⚫︎多数の小葉から構成
⚫︎小葉は皮質・髄質からからなる
⚫︎皮質には未熟なT細胞が存在
⚫︎髄質には成熟したT細胞が存在
骨髄において造血幹細胞は骨髄系とリンパ球系に分化
リンパ球系のうちT細胞はその前駆細胞が胸腺に移動
胸腺にてT細胞へと分化・成熟する
二次リンパ組織
異物対する免疫応答を行う
リンパ節
リンパ液中の異物に対する免疫応答を行う
リンパ管の途中に介在し全身に300〜600個存在
首・脇・鼠径部など関節部に集中して存在する
リンパ節内部にリンパ小節をもつ
リンパ節では異物の濾過や免疫応答が行われる
⚫︎マクロファージによる異物の貪食除去
⚫︎抗原侵入によるB細胞の分化やT細胞の活性化
⚫︎成熟リンパ球による免疫応答
脾臓
血液中の異物に対して免疫応答を行う
左上腹部で胃の裏側に存在
大きさは約10cm x 6cm x 3cm程で重さは約120g
⚫︎被膜と脾髄に分けられる
⚫︎脾髄は赤脾髄・白脾髄からなる
⚫︎赤脾臓は、
毛細血管が網目状に広がりマクロファージが存在
⚫︎白脾髄は、
リンパ小節からなりリンパ球が存在
⚫︎腹腔動脈が流入し、
脾動脈、脾臓、脾静脈と流れ門脈へて肝臓へ繋がる
免疫機能のほかに、造血機能・赤血球破壊・血小板貯蔵などを行う
粘膜関連リンパ組織
粘膜から直接取り込んだ異物に対する免疫応答を行う
異物が侵入しやすい粘膜では局所免疫により生体防御が行われる
分泌型IgAによる局所免疫
⚫︎粘液中に分泌されるIgAにより局所免疫が機能
⚫︎粘膜下のリンパ小節でB細胞が形質細胞が分化
⚫︎形質細胞よりIgA産生
⚫︎IgAは粘膜上へ輸送される際に分泌成分と結合
⚫︎分泌型IgAとなって局所免疫を行う
分泌型IgAの分布
⚫︎涙
⚫︎鼻汁
⚫︎唾液
⚫︎気道粘膜
⚫︎消化管粘膜
⚫︎尿
ワルダイエル咽頭輪
口腔・鼻腔からの異物に対して免疫応答を行う
咽頭移行部に輪上に存在する粘膜関連リンパ組織
扁桃とよばれるリンパ小節の集合体
耳管扁桃・咽頭扁桃・口蓋扁桃・舌扁桃からなる
気管支関連リンパ組織
気管支に侵入した異物に対して免疫応答を行う
気管支粘膜にみられる粘膜関連リンパ組織
気管支粘膜下のリンパ小節が局所免疫を行う
消化管関連リンパ組織
食物や外来異物に対して免疫応答を行う
消化管粘膜にみられる粘膜関連リンパ組織
消化管粘膜下の孤立リンパ小節やパイエル板が局所免疫を行う
空腸はリンパ小節が点在し孤立リンパ小節とよばれる
回腸ではリンパ小節が集まり集合リンパ小節を形成
回腸固有の集合リンパ小節はパイエル板とよばれる
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