循環器

交感神経抑制薬③|αβ遮断薬

交感神経抑制薬

α受容体やβ受容体にアンタゴニストとして作用する

循環器では
血圧低下目的でα1受容体遮断薬
心機能抑制目的でβ遮断薬
を用いる

α受容体遮断薬
β受容体遮断薬
●αβ受容体遮断薬

αβ受容体遮断薬

α・β受容体の両方を遮断する

α受容体サブタイプへはα1選択性
β受容体サブタイプへはβ1・β2非選択性

α1受容体遮断作用

■血管
 血管平滑筋弛緩

β1受容体遮断作用

■心臓
 心機能抑制

■腎臓の傍糸球体細胞
 レニン分泌抑制

β2受容体遮断作用

■平滑筋
 血管平滑筋収縮
 気管支平滑筋収縮
 子宮平滑筋収縮

■肝臓の肝細胞
 グリコーゲン分解抑制

■膵臓のB細胞
 インスリン分泌抑制

■骨格筋
 振戦抑制

αβ遮断薬

◯禁忌(共通)
⚫︎本剤成分に対する過敏症の既往歴
⚫︎β1遮断心機能抑制に対する禁忌
・高度の徐脈
・Ⅱ〜Ⅲ度の房室ブロック・洞房ブロック
・心原性ショック
・うっ血性心不全
・肺高血圧による右心不全
・洞不全症候群(アロチノロールのみ)
⚫︎β2遮断気管支収縮に対する禁忌
気管支喘息・気管支痙攣
⚫︎β2遮断子宮平滑筋収縮に対する禁忌
妊婦
 ラベタロールは禁忌の記載なし
⚫︎その他
・糖尿病性ケトアシドーシス・代謝性アシドーシス
  pH低下で心筋収縮力抑制作用を増強のおそれ
・未治療の褐色細胞腫
  β遮断薬によりα作用が強まり血圧上昇のおそれ
  必要時はα遮断薬を前投与し以後も必ず併用

◯副作用(共通)
⚫︎α1遮断降圧作用による副作用
過度の血圧低下
起立性低血圧
⚫︎β1遮断心機能抑制に対する副作用
徐脈
心不全の誘発・増悪
⚫︎β2遮断気管支平滑筋収縮に対する副作用
 特に非選択性は注意
喘息様症状
呼吸困難

◯使用上の注意(共通)
⚫︎長期投与時
 定期的な心機能検査
 徐脈・低血圧に注意
 肝機能・腎機能・血液像に注意
⚫︎連用時は急に中止しないで徐々に減量
 症状悪化のおそれ
 急性心筋梗塞を起こした報告もあり
⚫︎甲状腺中毒症
 β1遮断作用により中毒症状マスクのおそれ
 急な中止で症状悪化のおそれ
 徐々に減量すること
⚫︎手術前24時間は投与しないことが望ましい
・アモスラロール(ローガン)
・ラベタロール(トランデート)
⚫︎手術前48時間は投与しないことが望ましい
・アロチノロール(アロチノロール)
・カルベジロール(アーチスト)
・ベバントロール(カルバン)

◯妊婦・授乳婦(共通)
⚫︎妊婦は禁忌
 ラベタロールは禁忌の記載なし
⚫︎授乳を避ける

◯服薬指導(共通)
⚫︎自己判断で中止しない
⚫︎車の運転・機械操作注意
  血圧低下でめまいのおそれ

アロチノロール塩酸塩

アロチノロール塩酸塩
 (アロチノロール塩酸塩錠)
◯適応
⚫︎高血圧症
⚫︎狭心症
⚫︎頻脈性不整脈
⚫︎本態性振戦

◯使用上の注意
⚫︎本態性振戦に投与時
 徐脈・めまい・血圧低下がおきやすい
 症状が認められた場合は減量又は中止

カルベジロール

カルベジロール
 (アーチスト錠)
◯適応
⚫︎高血圧症
⚫︎狭心症
⚫︎頻脈性不整脈
⚫︎慢性心不全

◯警告
⚫︎慢性心不全使用時に対する警告あり

◯禁忌
⚫︎強心薬・血管拡張薬の静注が必要な心不全
⚫︎非代償性心不全

アモスラロール塩酸塩

アモスラロール塩酸塩
 (ローガン錠)
◯適応
⚫︎高血圧症

◯その他の注意
⚫︎長期投与時は眼科的検査を行う
 眼のぶどう膜のメラニン色素との親和性が高い

ラベタロール塩酸塩

ラベタロール塩酸塩
 (トランデート錠)
 ISA作用・MSA作用あり
 妊婦にも使用可
 妊娠中の高血圧治療の選択肢にあげられる

◯適応
⚫︎高血圧症

ベバントロール塩酸塩

●ベバントロール塩酸塩
 (カルバン錠)
 β1受容体選択性

適応
⚫︎高血圧症

内因性交感神経刺激作用(ISA)

β受容体を弱いながらも刺激する作用
弱いβ刺激により心機能に対する作用が緩和になる
⚫︎カルテオロール(ミケラン)
⚫︎セリプロロール(セレクトール)
⚫︎ラベタロール(トランデート) など

膜安定化作用(MSA)

細胞膜のNa+チャネル遮断作用
細胞内外の電位変化を抑制する
刺激伝導の興奮を抑制する抗不整脈薬様作用
⚫︎プロプラノロール(インデラル)
⚫︎メトプロロール(セロケン)
⚫︎ラベタロール(トランデート) など

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